紅茶の知名度ランキングがあれば間違いなく上位に食い込むであろうダージリン。
日本だけでなく世界中で大人気の紅茶ですが、
「ダージリンってなんだろう?」
と考えた時に意外と知らないことに気づいたりしませんか?
ということでこの記事では、ダージリンについて基本的なところからちょっとマニアックな小ネタまでご紹介してまいります。
ダージリンとは
ダージリンは、インド北東部にあるダージリン地区で栽培された茶葉を使った紅茶です。
爽快でほどよいコクと渋み、旨みが世界中で人気があり、世界三大紅茶のひとつに数えられています。
明るい水色や華やかな香味は「紅茶のシャンパン」とたたえられることも。
これからはもっと詳しく
- ダージリン地方ってどんな場所?
- 時々聞く「フラッシュ」って何?
- 高値のイメージがありがち?
- おいしい飲み方は?
などについてご紹介していきますね。
ダージリン地区はどんな場所?
ダージリンはインド北東部、西ベンガル州の最北にあり、ネパールとブータンにはさまれたあたりに位置します。
名前は「稲妻の地」(Dorjee=神秘の稲妻、ling=場所)を意味しています。
ダージリンの茶園が広がるのは、東ヒマラヤ連峰のひとつカンチェンジュンガ山麓の標高500~2,000mにわたる険しい斜面。
リンや窒素を多く含む土壌がある他、乾季と雨季がはっきりと存在する点が茶樹栽培に適しています。
ダージリンでは昼夜の寒暖差が大きく、一日に何度も霧が発生するのですが、
濃い霧が生じる
→カンチェンジュンガから吹く風が霧を晴らす
→太陽が湿った茶葉を乾かす
の繰り返しを経ることでダージリン特有の香味がつくられるとも言われます。
ダージリンティーのおいしさは、農園で働く人々はもちろんのこと、雄大な自然環境が与えてくれた恵みなのです。
ファーストフラッシュ、セカンドフラッシュって?
ファーストフラッシュとセカンドフラッシュは、特定の時期に生産されたダージリンティーにつけられる名前です。
一年の中で気候が変動するダージリンでは、紅茶が生産された時期によって香味が変わってきます。
特においしい紅茶ができる時期(クオリティ・シーズン)がダージリンには3つあるとされ、
- 3~4月頃の春摘み茶をファーストフラッシュ
- 5~6月頃の夏摘み茶をセカンドフラッシュ
- 10~11月頃の秋摘み茶をオータムナル
と呼ぶのです。
では、それぞれの特徴を簡単にご紹介しましょう。
ファーストフラッシュ
冬が終わって最初に芽吹いた茶葉で作られるのがファーストフラッシュ。
いわばダージリンの「新茶」であり、季節ものとしての人気もあります。
春のまだ柔らかな太陽光を浴びて芽吹いた茶葉らしく、フレッシュな爽やかさ、軽快な渋みと旨みが特徴です。
茶葉は浅緑色で、水色は明るいオレンジ。
若々しく季節感のある紅茶です。
セカンドフラッシュ
二番茶のセカンドフラッシュは、ファーストよりも強い太陽の光を浴びて卓越した香味をもった紅茶です。
極上のダージリン・セカンドフラッシュは世界中の紅茶好きの垂涎の的。
充実した茶葉の味わいとマスカテルフレーバーと呼ばれる独特の芳醇な香りが紅茶ファンを虜にしています。
マスカテルフレーバーは
「マスカットのような香り」
「ブドウ畑の風下に立った時の香り」
などと表現されますが、香りが生まれるにはウンカという小さな虫と関係があります。
ウンカが茶葉の汁を吸って傷をつける時に、茶樹が治癒のために分泌する成分がマスカテルフレーバーの素になるのです。
オータムナル
雨量の多い夏が過ぎ10月頃になるとオータムナルの生産期に入ります。
ファースト、セカンドよりも知名度は低いかもしれませんが、オータムナルも評価の高い紅茶です。
オータムナルは味わいや水色に深みがあるのが特徴的。
甘みがありマイルドで飲みやすく、ミルクとの相性も良好です。
ダージリンの値段は高い?
ダージリン、特にセカンドフラッシュのものは一般的に高価です。
どれくらい高いのかは、2014年のティーオークションでダージリン産紅茶が歴代世界最高値で取引された、というエピソードを出すと伝わりやすいかもしれません。
それ以前の記録も2003年のダージリン、しかも茶園も同じマカイバリ茶園のものでした。
この最高値のダージリン「シルバーティップス・インペリアル」は独特の有機農法に基づいて栽培され、茶摘みの日時を夏至直前の満月の夜とするなど、強いこだわりをもって作られました。
なので少し特殊な事例かもしれませんが、ダージリンに高値がつくという象徴的な出来事とは言えるでしょう。
なぜダージリンは高いのか。
最も大きな要因は希少性です。
日本ではダージリンの名前がついた紅茶をよく見かけるので意外かもしれませんが、インドで生産される紅茶のうちダージリン産はたったの約1%なのです。
生産量が少ない理由のひとつは生産時期が限られていること。
冬は茶樹を休ませるので、年中収穫できる地域と比べると自ずと量が少なくなってしまいます。
また、ダージリンの茶園が急斜面にあることも理由になっています。
機械が入れないので苦労して手摘みするしかありませんし、茶樹の植え替えも難しいので生産量が少ない老樹が増えてしまうのです。
更に、ダージリンはシーズンによって香味が大きく変化し、特にセカンドフラッシュには根強い人気があります。
わずかな供給に対してイギリスやドイツなど購買力の高い国々が集まるため、値段が高くなるわけです。
と、ここまでお値段の話をしてきましたが、価格とおいしさは必ずしも比例関係にあるわけではありません。
人それぞれ好みもありますし、価格には供給量や為替レートなどなどおいしさ以外の要素も大いに関わってきます。
お値段もひとつの指標ではありますが、紅茶を楽しむ時には過度に気にしすぎずに、自分の「おいしい!」という感覚を大事にするのがよいかと思います。
おいしい飲み方
軽快で繊細な香味が特徴のダージリンはホットのストレートが定番です。
お砂糖で甘みをつけてまろやかにするのもよいですね。
アイスにしてさっぱり感を楽しむのも最高です。
炭酸水を加えると、紅茶のシャンパンの異名が実感できますよ。
意見が分かれるのはミルクティー。
ミルクを入れると繊細な香味が味わいにくいと言われることもありますが、ダージリンの滋味と合う!という意見もあったりします。
好みは人それぞれなので、ミルクティーが好きなら一度試してみてはいかがでしょう。
なお、当店でもダージリンをお取り扱いしています。
華やかで旨みが感じられる紅茶ですので、お試しいただければ大変嬉しい限りです。
商品リンクはこちら
まとめ
以上、ダージリンについてのお話でした。
最後に、このコラムを管理するティーバッグ紅茶・ハーブティー専門店くじらの紅茶のご紹介を少しだけ。
くじらの紅茶ではマグカップでたっぷり淹れられる量の茶葉を、テトラ型ソイロンフィルターに詰めたこだわりのティーバッグを販売しています。
肝心の茶葉は、日本紅茶協会認定ティーアドバイザーの店主が試飲を重ね抜いて厳選した高品質なものを使用しています。
商品の例
(画像はAmazonへリンクしてます)
自慢の商品を取りそろえておりますので、ぜひ一度ショップをご覧くださいませ♪
心よりお待ちしております。